それぞれ書いていたので、それを読むだけでお腹いっぱいだったのですが。
さっきプロモを見ているうちに、ぼんやりと思い浮かんできたので投下。
時期外れのおれきみプロモネタです。パロディ。
一応ちゅーはしてるので13+2。
色々と酷い点や違いそうな点はスルーでよろしくです^^
読んでくださる方は「ベリーショートストーリー」をクリックしてくださいね^^
ぴよしとの出会いは突然だった。
おれときみと、そしてぴよし。(13+2)
俺と坂本くんは、久しぶりのオフにこれまた久しぶりに坂本くんの運転でドライブを楽しんでいた。
隣に座って運転している坂本くんは、ちょっとだけ頬がこけていて、仕事が大変そうなことが伺える。
それでもいい男だから様になっていて、まぁぶっちゃけると普段よりも格好良かったわけで、俺は話を聞きながら助手席でこっそりニヤけていた。
すると、急にこの人が物凄い勢いでブレーキを踏んだのだ。
視線をやれば、坂本くんがため息混じりにぼん、とハンドルを手で叩いた。
「なんで人が真面目な話してんのにさ、ヘラヘラ笑ってるわけ?」
「え、俺笑ってないよ」
半ば八つ当たりのようなそれに、俺は慌てて抗議する。
っていうか、坂本くん真面目な話してたんだ。ぜんっぜん聞いてなかったんだけど。
俺の抗議を聞いた坂本くんはは、と鼻で笑った。
うわ、やな感じ。
「笑ってんじゃん」
「笑ってないよ」
「今笑ってます」
「いやいや、笑ってるように見えるだけでしょ?」
癒し系キャラでやってるんだから、普段から笑顔なのは仕方ない。
でも、だからってそれを引き合いに出されましても。
子供みたいな言い方に、段々と俺の気持ちも荒んでくる。
何でこの人の八つ当たりの的にされなきゃなんないの、俺が。
大人しく聞いてはいはい頷けるほど、俺は素直でいい子には出来上がっていない。
「だからって何でそうやって急ブレーキ踏むわけ?怪我したらどうすんだよ」
「はいはいはいはいはい」
あ、この人がはいはい頷いちゃった。
って、なんかすっげぇ棘のある言い方だから余計ムカつく。
「なにそれ」
「分・か・り・ま・し・た」
勝手に喧嘩吹っかけてきて、勝手に終わらせたし。
せっかく久々に二人っきりで居られて、しかもインドアな坂本くんがドライブに誘ってくれたからすっげぇ嬉しかったのに。
その嬉しかった俺の気持ちを返せこの野郎!
そう言ってやろうと顔を上げた俺は、目の前にとんでもないものを見つけることになる。
「・・・ええぇ?!」
「・・・ん?」
車の前にあったのは、巨大な卵だったのだ。
例えて言えば、えっと、ほら、あの絵本の有名なネズミの兄弟が巨大なカステラを作るのに使ったヤツくらいの大きさだ。
俺と坂本くんなんてすっぽり入っちゃうんじゃないだろうか。
何度も目をこすって見直すも、巨大な卵は消えずにその場に鎮座していて。
二人揃って道路の真ん中でぽっかーん、と暫く呆然としていた。
「ねぇ、あれ、卵?」
「卵、だろうな」
「なんでこんな都会の道の真ん中にあるのよ?」
「俺が知るかよ。チッ、あれどかさねぇと進めねぇじゃねぇか。おい、井ノ原手伝え」
「う、うん」
坂本くんに促され、俺も一緒に車を降りる。
近くに寄って見ると、車から見た時よりも更に大きく見えた。
卵がそのまま大きくなったと考えると、俺と坂本くんの力じゃどけられないんじゃないか、という一抹の不安が沸き起こる。
坂本くんはまだしも、俺そんなに体力も筋肉も無いし。
どっかからクレーン呼んでどけて貰おうよ、と提案しようとしたその時。
卵がぴきぴきと音を立てて割れ、中から男の人が一人出てきた。
・・・生まれたっていうよりは桃太郎みたいに出てきたって方がしっくりくる。
そして、その男の人はずさっと後ずさった俺たちのことを見て、こう言ったのだ。
「・・・ぴよ」
「「ぴよ?!!」」
成人男性がぴよとか、何かのキャラに成りきってる系?!
服はきちんとしたものを纏ってるし、一見すると一般人なんだけどなぁ。
彼は一頻り俺と坂本くんを交互に見ていたが、少しすると俺の方にひょこひょこやってきた。
比べてみると人当たりよさそうな人間だと思われたんだろう。
まぁ、坂本くんに負けるはずがないんだけどね。
不安そうにしているから、とりあえず話しかけてみることにした。
「あの、貴方は一体何処から来たんですか?」
「・・・ぴよ」
指差すは道路に転がっている白い卵の欠片。
なるほど。
・・・って、そうじゃなくて。
「出身地のこと。日本人ですよね?」
「どっからどう見ても日本人だろうが」
「坂本くんは黙っててよ」
「ぴよ」
返ってくるのはぴよ、というひよこのような鳴き声だけ。
ここまでくると、ふざけてるわけじゃなさそうな気がしてくる。
顔、すっげぇ不安そうだし、怖がってるみたいだし。
そっと髪の毛を撫でてやると、あっさり警戒心を解いてにこにこと穏やかな笑みを浮かべ始めた。
な、なんか。
「可愛いかも、この子」
「どう見てもお前より年上だぞ、多分」
「精神年齢は俺より下だよ。ねぇ、名前は?」
「ぴよ、し」
「ぴよしだって!チョー可愛いー!」
「おい、なんで『し』だけ発音出来てんだよ。絶対怪しいぞ」
「いいの!な、家何処?送ってやるよ」
「ぴよ・・・」
家の話を持ち出した瞬間、ぴよしは泣き出しそうに顔を歪めた。
うるうると揺れる瞳に、俺の胸がきゅんと切なく痛む。
「もしかして、家無いの?」
「ぴよ・・・」
「じゃあ、俺の家おいでよ。寝る場所くらいならあるし」
「お、おい井ノ原!」
「なに?」
「お前ホイホイ他人を家の中に入れるんじゃねぇよ!襲われたらどうすんだ?!」
「あは、ぴよしが俺を襲うはずないじゃん。こんなに可愛いのに」
な、と首を傾げると、ぴよ、とぴよしが首を縦に振る。
それを見た坂本くんは舌打ちをすると、すたすた車に戻ってしまった。
拗ねたのか、やきもちを妬いたのか、眉間には深い皺が寄っている。
一応俺たちのことは待っていてくれているらしく、エンジンをかけたまま車を動かす気配はなかったけれど。
俺はぴよしの手を握り、車の方に手を引いて誘導した。
ぴよしは素直に俺についてきて、後部座席にちょこんと座った。
俺もこの子の隣に座ろうかなと思ったんだけど、大人気なく拗ねている坂本くんが可哀想だったので助手席に収まった。
ゆるゆると発進した車のバックミラー越しにぴよしを見る。
「まずは日本語教えなきゃなー」
「ぴよ」
「話出来ないことには先に進まないからね」
「ぴよ」
「ねぇ、坂本くんも手伝ってよ」
「・・・仕方ねぇな」
渋々でも了解してくれた坂本くんの頬に音を立ててキスをすれば、少なくなる眉間の皺。
俺も坂本くんもお互い、単純に出来ているというわけだ。
「お前、ぴよしが見てんだろ」
「大丈夫だって。なんかウトウトしてるし」
「・・・ホントだ」
「知らない人に会って疲れちゃったんだねー」
「すっかりお母さん気取りだな、井ノ原」
「じゃあ、アンタがお父さん?」
「馬ぁ鹿」
空いた手で俺の額に軽く拳をぶつけてくる坂本くんは、それでも満更でもないような表情をしていて。
さっきまでの険悪な空気が消えたことをこっそりぴよしに感謝しながら、俺はもう一度坂本くんにキスをしたのだった。
END
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前半はほぼプロモと同じ会話になってます。
ぴよしがぴゃーっと逃げるところ含めるとかなり長くなりそうだったので、割愛^^
純粋ぴよしにするか、黒ぴよしにするか、そこら辺が楽しそうな題材だなと思う^^←
個人的にはよししこを「よっちゃん」まーを「さかもと」って言ってればいいという妄想を繰り広げております^^
何を書いても上の二人のポジションだけは基本変わらない気がする^^